「人生100年時代」到来!シルバー人材の採用とは?
少子化により労働者人口の減少により人材確保が難しくなって、高齢者雇用の始動・拡充をお考えの企業も多いのではないでしょうか。また健康寿命が延び「人生100年時代」とも言われている昨今、定年退職後も働きたい!という高齢者はますます増えていくと考えられています。
本コラムでは、シルバー人材の採用について詳しくご紹介しますので、シルバー人材の雇用をお考えの方は是非ご一読ください!
1.シルバー人材とは
シルバー人材とは、概ね60歳以上のシニア世代を指し、定年退職した高齢者の中で就労可能な人材のことです。定年退職後も豊富な専門知識やスキルを活かし活躍できる人も多く、また、生活のために退職後も引き続き収入を得たい人や、退職後の空いた時間を利用して社会参加したいという人も多いでしょう。
令和3年には70歳までの就業機会を確保するために「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」の一部が改正され、
- 70歳までの 定年の引上げ
- 定年制の廃止
- 70歳までの継続雇用制度(再雇用制度・勤務延長制度)の導入
(特殊関係事業主に加えて、他の事業主によるものを含む) - 70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度の導入
- 70歳まで継続的に以下の事業に従事できる制度の導入
a.事業主が自ら実施する社会貢献事業
b.事業主が委託、出資(資金提供)等する団体が行う社会貢献事業
のいずれかの措置を講ずるよう努めることとされています。これにより今後ますますシルバー人材の活用が盛んになっていくと考えられます。
また、少子高齢化の現状を鑑みても、人手不足の解消に高齢者の働き手が一翼を担うこととなるでしょう。
2.シルバー人材を採用するメリット
では、シルバー人材を採用することは企業にとってどんなメリットがあるのでしょうか。
①労働力不足の解消
前述した通り、少子高齢化により若い世代の働き手はどんどん減少していきます。そこで元気な高齢者を雇用することにより人手不足を解消することができます。
②助成金などの優遇が受けられる
シルバー人材活用の取り組みは、政府主導で推進されているので、さまざまな施策・制度が用意されています。そのため企業は、そうした施策・制度を活用することで、国から助成金の支給や税制上の優遇などが受けられます。
③豊富な経験と知識
定年退職後のシルバー世代は、多くの業界経験と知識を持っていることが多く、企業にとってまるで宝のような存在です。彼らの経験から学び、指導を受けることがで若手の育成にも繋がります。
④安定性と信頼性
年齢が上がることで、一般的に安定感と信頼性が増します。プロジェクトの安定性や顧客との信頼関係構築に貢献する可能性が高いです。
⑤ネットワークとコネクション
長いキャリアを持つ人材は、業界内で豊富なネットワークとコネクションを持っています。新しいビジネス機会を発見し、パートナーシップを築くのに役立ちます。
⑥多様性と包括性
年齢層の多様性を取り入れることで、企業はより包括的な労働環境を提供でき、異なる視点からのアイディアを受け入れることができます。
3.シルバー人材を採用するデメリット
では逆に、シルバー人材を採用することによるデメリットはなんでしょうか。
①健康問題
年齢が上がると、健康問題が発生しやすくなります。これにより、長期的な休暇や医療休職が必要になる可能性が高まります。
②テクノロジー適応の課題
年齢が上がると、最新のテクノロジーに適応するのが難しい場合があり、効率性に影響を与えることがあります。
③キャリアの終焉計画
60歳以上の従業員を採用する場合、その後のキャリアの終焉計画を策定する必要があります。これにはリタイアメントオプションの提供が含まれます。
④若い世代との適応
年齢差が大きい場合、若い世代とのコラボレーションやコミュニケーションに課題が生じることがあります。リーダーシップスタイルや価値観の違いに対処する必要があります。
4.シルバー人材を採用する方法
定年を迎えた社員の継続雇用
現在自社で働いていて、定年時期を迎える従業員を定年後も継続して雇う制度。
再雇用
一度定年退職した自社の従業員を、改めてシルバー人材として雇い入れる制度です。会社のことをよく分かっている人を再度雇うことになるので、効率的な方法と言えます。
シルバー人材センターの活用
労働意欲のある高齢者が登録されている「シルバー人材センター」を通じて、業務に最適な人材を紹介してもらうことができます。
シニア派遣の活用
派遣会社を通じてシルバー人材を受け入れる方法です。近年は、高齢者層に特化した派遣会社などもあります。
ポスティングチラシの活用
ポスティングによるチラシでの募集は、高齢者にとっては身近で効果のある方法と言えます。
5.まとめ
いかがでしたでしょうか?
高齢者の方々を雇用することにより、企業にとっても人手不足を解消し、高齢者の方にとっても社会参加や生きがいを見出すとこができ、双方に利点があるということがお分かりいただけたでしょうか。
シルバー人材の雇用について、それぞれの企業のニーズに合った戦略的な人材採用を検討することが重要となります。