知らないと違法になる場合も!ポスティングをする前に押さえておくべきポイント
エリアやターゲットを絞ることができ、確実に手に取ってもらえるポスティングチラシですが、配布方法によっては違法行為とされる場合やクレームを発生させてしまうリスクもあります。過去には違法とされた判例もあり、企業やサービスのイメージを損なうことに。そうなる前に必要なポイントを押さえ、リスクを軽減させましょう。
1.ポスティングは違法行為?
マナーや配布方法に注意が必要。配布方法によっては、住民とトラブルの原因になったり、訴えられる場合も。
現時点でポスティングを取り締まる法律はないため、ポスティング自体は違法行為ではないと言えます。ただしポスティングの掲載内容や配布の仕方によっては違法行為につながってしまうリスクがあります。
前述のようにポスティングそのものが違法とされた判例はありませんが、住居侵入罪や軽犯罪法違反などで違法とされた判例はあります。違法とされた場合には、事業やサービスの評価やイメージが下がってしまい、クレーム処理に手間も時間も取られてしまいます。 トラブルになる前に、どんなケースが違法となるのか、また違法ではないもののトラブルになりやすいケースなどのポイントを押さえ、準備を進めていく必要があります。
2.ポスティング配布の注意点!違法となるケースも
ポスティングに関連して違法となる行為としては具体的には住居侵入罪、軽犯罪法、風俗営業法、郵便法などがあります。関連する法律を踏まえて説明します。
住居侵入罪に該当する場合
ポスティングをするために、居住者が投函を拒否しているにも関わらず、ポスティングをするために敷地内に入った場合に住居侵入罪に該当する場合があります。過去には、政治的な内容のチラシで住居侵入罪として罪に問われ、該当するとされた判例もあります。敷地の権利者の意思が優先されることを忘れないようにしましょう。決して、ポスティングする側が情報を押しつけるようなことがあってはいけません。
軽犯罪法に該当する場合
禁止区域への立ち入りやポスティングを拒否する意思表示に反した行為があった場合には、軽犯罪法に問われる可能性があります。「チラシお断り」や「敷地内立ち入り禁止」などの表示があった場合はポスティングを避けましょう。
風俗営業法に抵触する場合
風俗営業法とは、キャバクラやホストクラブなどの性風俗関連特殊営業のほか、料理店、カフェなどの接待飲食等営業を行う店に関する法律です。風俗営業法違反に該当するケースとしては、性風俗店やアダルト商品の販売に関わる記載があるチラシの投函です。
郵便法に抵触する場合
ポスティングは不特定多数の相手に投函しますが、個人名など特定のあて名がある文書を直接投函した場合、違法とされることがあります。
3.クレームになった場合の対処法
各種法律に気を付けて違法行為につながるポスティング行為は避けて、マナーを守ってポスティングをしているつもりでもポスティングにはトラブルがつきものです。クレームやトラブルに対する対応方法も事前に押さえておきましょう。
ポスティングに関してクレームが発生した場合は、状況を改善するために迅速に対応が必要です。事前対策として具体的な対処法も知っておきましょう。
謝罪する
まずは不快に感じている相手の気持ちを和らげることが最優先事項です。ポスティングする側に法的な落ち度がない場合でも、配布先を不快にさせてしまったことを、まずは誠意をもって謝罪しましょう。次に、クレームにつながった原因や理由を明確にするために常況把握を行い、改善策を立て、必要に応じスタッフに情報共有を行いましょう。また相手側にも事情や改善策を説明し、更に納得感を得られるように努める必要があります。
チラシ回収
クレームがあったら、先方に誠意を示すためにもできるだけ早く謝罪とともにチラシの回収をさせていただきましょう。お会いできない場合は丁寧に謝罪したうえで、先方で破棄してもらうことに感謝の気持ちを伝えることも大切です。
今後の対応を確約
クレームを受けたら、謝罪と同時に、今後一切投函をしないことを明確に約束します。投函禁止のリストに記載し、スタッフへの徹底を行う旨を伝えるなどの具体策を示しましょう。社内教育も見直し、その他のポスティング行為においても改善を図ります。
金品などの要求には応じない
クレーム対応として謝罪を行った際、金品など理不尽な要求がある場合もあります。相手の要求を見定め、毅然とした態度で臨むことが重要です。誠意をもって対応しても先方の納得が得られない場合には、第三者・弁護士を通じて早期解決を検討しましょう。事前に社内でのクレーム対応ルールを作っておき、こうしたケースに迅速に対応できるようにしておくと良いでしょう。
4.まとめ
ターゲットエリアを絞ることができるため効果的で有効なポスティング。不特定多数の住宅にチラシを配布するため、細やかなクレーム対策は必須。
直接手に取ってもらえる可能性がかなり高いポスティングですが、直接自宅に投函するためクレームも起きやすいと言えます。そのような事態をできるだけ発生させないように、注意点やマナーを把握したうえでポスティングをおこないましょう。 配布禁止先リストにもれがないか、クレーム対応マニュアルの内容など配布前に都度確認しポスティングを有効活用していきましょう。